小学生ヒグマさん(後編)

こんにちは、ヒグマさんです。
小学生ヒグマさん(前編)」「小学生ヒグマさん(中編)」に続き、小学生編のラスト、後編をお届けします。

おばあちゃんの家を出ることになったヒグマさんは、五畳二間しかない狭い一室で、父方のおばあちゃん、母、兄との奇妙な4人で暮らすことになりました。


…と思ったのも束の間でした。


数週間は4人で一緒に暮らしていましたが、程無くして母が家を出ました。
理由は単純で、

とにかく家が狭い。。

少し動けばテーブル、タンス、壁などに手、足があたる。
寝る場所が一ヵ所しかない為、おばあちゃん、母、ヒグマさんと川の字で寝る。(※兄は一人部屋独占。)
母は夜の仕事をしていたのでそっと帰ってくるもののゆっくりするスペースもない。
ちょっとした音でヒグマさんが起きる。

などなど、色々な不便があり、マンションの近くにもう一部屋借りることにしました。

・2DKの部屋に兄、おばあちゃん、ヒグマさん。
・1Kの部屋に母。

という生活が、ヒグマさんが22歳になるぐらいまで、実に10年ほど続く事になります。

母が1Kの家で暮らすようになり、半年程が過ぎたある日のことです。

凄い大雨の為下校時に母が学校まで車で迎えに来るという連絡があったと、先生から言われました。

ラッキーと思い放課後、学校裏に止まっている母の車を見つけ、小走りで車に向かい助手席のドアを開けると、笑顔で母が「おかえり」と言ってくれ、「ただいま」と返事をした直後、、右目にびっくりする風景が飛び込んできました。

後部座席に、大人の男の人がテレビで見たことのあるチ〇ピラ風な寝方で寝そべっていました。。

雰囲気はこんな感じの人。

・パンチパーマ
・グラサン
・縦じまストライプのシャツ、白のズボン
・裸足

ヤ〇ザや。。。

とっさにそう思ったヒグマさんは大雨の中助手席に入る事をためらい停止していると、母から「挨拶しなさい」と言われ、とっさに「こんちには。」だけを言いました。あいさつした後、寝そべっている男性は寝そべったまま「おぅ~元気な声してるなー学校お疲れさん」と少し微笑んで返してくれました。

これが、今後の人生に影響を及ぼすもうひとつの出会い、「おっちゃん」との初対面になります。

「おっちゃん」が何者かは当時わかるすべもなく、母に聞いても「友達やで」というだけでした。会う頻度は1カ月に1回ぐらいから徐々に毎週日曜日にご飯を食べに行くまで発展していきました。はじめは緊張していましたが、会う度においしい焼肉に連れて行ってくれて、帰りに漫画の本を買ってくれるので、ヒグマさんはわかりやすいぐらい、なついていきました。

そんなある日、いつものように日曜日焼肉を食べに行くと思い、母の車に乗ると「おっちゃん」がいません。「おっちゃんいないの?」と母に聞くと「店で先に待っているよ。」と言い、そのまま車を走らせていましたが、いつもの焼肉屋さんの道とは明らかに違います。程無くして車が入って行ったのは小学生が見てもわかるぐらい高級なホテルの駐車場でした。

「どこいくん?どこいくん?」だけを連呼して母に尋ねると、「おいしい中華料理食べるねんで。」と言われました。

当時食い盛りのヒグマさんは何より焼肉が大好物。なので母の「すごいやろ?」的な笑顔に対して「なんや中華か、、」としょんぼりしたことを覚えています。
(※中華が悪いわけではなく、当時のヒグマさんはそれほど焼肉に目がありませんでした。)

ホテル内にある乗ったことがない長いエレベータを夜景を見ながら上り、少しテンションが上がったあと、店に入店。ヒグマさんがイメージしていた町の中華屋さんとはまったく雰囲気が異なり、かなりかしこまった雰囲気に少したじろぎました。

店の人に案内され、席に着きましたが先に来てると聞いていた「おっちゃん」の姿がありません。「ん?」と思いながらなんとなくぼーっとしていると、スープが運ばれてきました。ヒグマさんの大好物のコーンスープでした。

一口食べた時のおいしさは今でも覚えています。

今まで飲んだことのないスープの味に「うっま!」と言うと、どこからか「旨いやろ?」と「おっちゃん」の声が聞こえました。

声の方向はスープを持って来てくれたスタッフのようでした。
スタッフの方に顔を向けると「おっちゃん」がコック姿で立っていました。

事態が呑み込めずびっくりしながら、第一声目ヒグマさんから出た言葉は
「ちゃんと働いてたんや~!」でした。当時週一回会っていても何者かわからず、また怖くて聞けないでいました。。

「当たり前やないか!」とヒグマさんに突っ込みを入れながら、母とおっちゃんは大笑い。

その時始めて知りましたが、おっちゃんは一流ホテル内にある中華料理店の総料理長で中華界ではそこそこ有名な人とのことでした。

そのあと、次から次へと出てくるおっちゃんの中華料理を食べ続けました。
どれもこれも食べたことがない程のおいしさで、特に餃子と焼売のおいしさは今でもはっきりと覚えています。

初対面ヤ〇ザと思いきや有名な中華料理人「おっちゃん」との出会いは本当に貴重で、豪快な生き様から人とのかかわり方の大事さを、ヒグマさんは長い年月を経て身をもって教えてもらい、細胞に浸透していくことになります。

この後、同じような生活が1年程続き、ヒグマさんは無事小学校を卒業します。


親の借金、離婚という出来事、小学校の友人、サッカーチーム、そして一見ヤ○ザなおっちゃんとの出会い。
小学生ながらにこのような怒涛の経験をし、「泣き虫ヒグマさん」から一回りも二回りも成長したヒグマさん。

次回、舞台は大阪でも悪くて有名な中学校へと移ります。

続く。

 

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